死後の身体の変化について

概要

本記事では、死後の身体の分解の段階や、分解の速度に影響を与える要因、そして歴史や文化における様々な埋葬方法について探究します。また、人口密集地域での埋葬スペース不足の問題や、伝統的な埋葬方法以外の選択肢についても取り上げます。

分解の段階

人が死亡すると、身体は数段階にわたって分解されます。数分で、血液は身体の下部に沈み、色素沈着を引き起こします。8～12時間後には、死後硬直や死後染色によってその部位の皮膚が変色します。身体の筋肉は、完全に緩み、一次的な弛緩状態になりますが、2～6時間後には死後硬直として硬化します。身体の温度も変化し、通常は周囲の環境に合わせて冷却されます。その後、分解が始まり、細菌や昆虫によって身体が分解されます。

分解に影響を与える要因

分解の速度には、環境や年齢、性別、土壌の酸性度など、多くの要因が影響します。カスパーの法則は、環境が分解に与える影響を基本的に説明し、他の要因がすべて等しい場合、空気にさらされた身体は水中に浸かった身体の2倍、地中に埋葬された身体の8倍の速さで分解されることを示しています。土壌の酸性度は骨の保存に大きく影響し、高酸性の土壌では骨が急速に分解され、中性またはアルカリ性の土壌では数世紀にわたって保存されます。

文化による埋葬方法

歴史を通じて、異なる文化は独自の埋葬方法を発展させてきました。最初のネアンデルタール人の埋葬から遡ることができ、死はしばしば、遺体の位置や色合い、装飾などの儀式とともに行われてきました。伝統的なキリスト教の埋葬では、遺体に衣装を身に着けさせます。一方、伝統的なイスラム教では、遺体はメッカに向けて顔を向けた布で包まれます。伝統的なヒンドゥー教では、遺体を儀式的に焼却し、ゾロアスター教徒は伝統的に遺体を塔の上に置き、太陽や鳥にさらします。

埋葬スペース不足

産業革命以前は、埋葬は簡単でアクセスしやすいものでした。しかし、現在では、人口密集地域で適切な埋葬地が不足しており、個人墓地を購入することも高額になっています。世界で2番目に一般的な埋葬方法である火葬でも、高い費用がかかります。問題は世界全体の土地の総量ではなく、大規模な人口が都市に集中することです。世界の大都市のほとんどは、1世紀以内に適切な埋葬地が不足する可能性があり、ロンドンでは2030年までにその状況が訪れるかもしれません。

伝統的な埋葬方法以外の選択肢

スペースの問題に対する伝統的な埋葬方法以外の選択肢があるのでしょうか？一部の国では、垂直埋葬を可能にする超高層墓地が導入されています。他にも、身体と環境の関係に焦点を当てた選択肢があります。たとえば、プロメッションは身体を凍結乾燥し、粉末にして酸素と水と混ぜることで堆肥にする方法です。バイオデグレード可能な棺や、木を生やすための骨壺、キノコを生やす埋葬スーツなど、環境に配慮したグリーンバイオデグレードの方法もあります。エターナルリーフは、海底深くで海洋生物の生息地を作るため、灰とセメントの混合物を使用します。